< 6th Asian Men's Youth Handball Championship >

(Qualification for Men's Youth World Championship , Russia 2015)

<<第6回男子ユースアジア選手権 >>

< 戦 評 >   9/6  9/10  9/11  9/13  9/15     トレーニングマッチ  9/2  9/4


3位決定戦

9月15日(月)
   
日本 31 (16- 9, 15-14) 23 バーレーン
B2位                A2位
  
戦評
 大会最終日、世界選手権の出場権をかけて3位決定戦バーレーンと対戦した。
 前半はバーレーンの強引な1対1からアウトカットインを狙う攻撃を、低い姿勢で外に押し出す6−0ディフェンス
で応戦した。トレーニングマッチでは手が首にかかったりカバーが遅れたりという反省から、山田・安倍・小澤を中心
に集中して丁寧に対応した。硬さが見られた立ち上がりであったが、前半10分過ぎから徐々にペースを掴み、伊舎堂・
山田の速攻等で得点をあげた。その後、退場者を出すものの練習通りの大きなクロスプレーを繰り返し、康本・入谷が
的確に判断して得点を重ね、15分過ぎで9対3とリードを奪った。攻撃ではバーレーンのハーフマンツーで動くトップ
ディフェンスにリズムを狂わせられたが、牧野の積極的な1対1と狙い通りのサイド攻撃が決まり、前半を16対9で
折り返した。
 後半は、お互いに守り合いの展開が続き、守ったと思ったプレーがフリースローに戻されたり、早いタイミングでの
オーバーステップやチャージングの笛を吹かれたりと我慢の時間帯が続いた。セーフティーリードが奪えず、弱気に
なったところを連続して7mTCを与えたが、後半から登場したGK森脇が思い切った駆け引きで連続してシャットアウト
し、後半の悪い流れを断ち切った。終盤バーレーンは積極的なプレスディフェンスを仕掛けてきたが、小澤・安平らで足
を止めず動き続け得点を重ねた。安倍・伊舎堂の両エースも的確に時間を計算しながらチャンスメイクに徹し、ベンチ入
りのメンバーも声を嗄らしながら最後まで仲間を盛り上げ31対23で勝利をものにした。
 長期間に渡る慣れない環境での大会に、気力・体力が限界の中、悔しい連敗から世界選手権出場のプレッシャーをはね
除け、チーム一丸となって最後まで頑張り抜いた選手達に敬意を表したい。
 
  
個人得点  牧野:8点、入谷:5点、安倍・小澤:4点、山田:3点、伊舎堂・安平・大谷:2点、康本:1点

準決勝

9月13日(土)
   
日本 19 (13-11, 6-15) 26 カタール
B2位                A1位 
戦評
 決勝トーナメント準決勝は、ベンチ入りメンバー16人中15人が帰化選手で揃えるカタールと対戦した。
日本は今までの実績からポスト・サイド・カットインを許さない密集した6−0ディフェンスでカタールに挑んだ。
前半立ち上がりは、入谷・山田・康本・安倍・小澤らでエリア際を固め、相手のポストプレーに必死に対応した。
不運にも相手のミスプレーやリバウンドボールをポストに拾われ得点されたが、徐々に相手のプレーを読んでボール
を獲得し、伊舎堂・康本・小澤らの速攻で得点した。オフェンスでは、大型選手に対し速いボール回しと空いた
スペースにポストを走らせチャンスを作り、田里の絶妙なコンビネーションで得点した。狙い通りの展開が続き、
前半20分までに8対4とリードを奪った。その後、相手の力強いロングシュートを立て続けて打ち込まれたが、
牧野のシュートフェイントからのカットインや安倍の中央からのステップシュートが決まり、前半を13対11で
折り返した。
 後半もポストを中心に間を割らせないディフェンスを徹底し、仲村・袰屋の好セーブから入谷・大谷の得点につな
いだ。田里・伊舎堂が負傷退場する中、メンバーを動かしながら、後半20分まで一進一退の攻防が続いた。その後、
ディフェンスを中心にゲームを粘り強く進めたが、10mでコンタクトしたロングシュートや2人がかりで守りに
いったプレーが押し込まれ連続失点を許した。焦って攻撃したシュートも枠をとらえきれず、19対26で敗れた。
アジアチャンピオンの夢が潰えた瞬間であったが、3位決定戦に向け世界選手権の出場権をかけてチーム一丸となって
再チャレンジする。 
 
  
個人得点  伊舎堂・牧野:4点、安倍・康本:3点、田里:2点、大谷・小澤・入谷:1点

予選リーグBグループ3戦目

9月11日(木)
   
日本 33 (18-15, 15-21) 36 韓国
2勝1敗               3勝 
戦評
  予選リーグ3戦目は宿敵韓国と対戦した。ジュニア選手権でも悔しい思いをしているキャプテン安倍を中心に
自分達が時代を変える思いで挑んだ一戦。前半立ち上がりは、韓国の切れ味鋭いフェイントに、正確な方向付けと
カバーを徹底した組織的な6−0ディフェンスで対応した。1対1からのトリックプレーに引っ掛かる場面もあった
が、中央を強く壁を作ってシュートをうまく打たせ、GK袰屋の好セーブを連発させた。攻撃では韓国の3−3
ディフェンスに安倍・伊舎堂の両フローターが果敢に1対1を仕掛け、相手の警告退場を誘った。先に主導権を
握った日本は、数的有利な状況から積極的にボールカットを狙ってミスを誘い、入谷・小澤の連続速攻で13分
10対6とリードした。その後日本の軽微なプッシングを連続して退場にされ、20分12対12の同点にされた。
韓国は4−2や6−0など、ディフェンスシステムに変化をつけて守りにきたが、引いたところを大谷・伊舎堂が
豪快に上から打ち込み前半を18-15の3点リードで折り返した。
 後半はパワープレーのチャンスでスタートしたが、代わって入った韓国のゴールキーパーに連続して好セーブに
遭い、一気に同点に追いつかれた。その後日本も韓国も選手を代えながら激しい攻防が続いたが、20分過ぎから
韓国サウスポー7番の力強い1対1と的確なコンビネーションで失点を重ねリードを許した。森脇の好セーブや安倍の
強引な突破等で最後まで必死に追いすがったが、一歩及ばなかった。非常に悔しい敗戦であるが、日本で応援して
くださる方々のためにも、決勝トーナメントでの再チャレンジを誓った。 
 
  
個人得点  伊舎堂:8点、安倍:7点、大谷・入谷:4点、田里・小澤・牧野:3点、山田:1点

予選リーグBグループ2戦目

9月10日(水)
   
日本 38 (20- 3, 18- 8) 11 ヨルダン
2勝                 2敗 
戦評
 アジア選手権2戦目は開催国ヨルダンと対戦した。
完全アウェイの状況を予想していたが、地元ヨルダンへの応援も少なく淡々とした雰囲気で試合がスタートした。
前半日本は、安倍・山田・大谷・野村で中央を厚く守るディフェンスでスタートした。相手の100kgを超える
ポストプレーヤーをいかに守るかが課題であったが、ボールへの積極的な駆け引きとポストを前に置かない戦術が
機能し、立ち上がりから8連続得点をあげた。攻撃ではサイド・ポストでの得点力不足が課題であったが、田里・
牧野らでチャンスをつくり、野村・大谷で着実に得点を重ねた。苛立ち始めたヨルダンは、野村のサイドシュートに
肘で首に当たりにいくなど、大怪我寸前のプレーが続出した。当然レットガードの判定ではあったが、一試合を通
してシュート時に後ろから引っ張る引っ掛けるなど、危険に満ちたゲームであった。選手は次戦の韓国戦を想定し、
相手の攻撃に落ち着いて対応しチームがやるべきことを徹底した。
 後半は、入谷・高橋・小澤・康本らでボールを中心にしたプレスディフェンスに切り替え、ゴールキーパー仲村の
好送球で得点を量産した。目標の26点差以上を達成したが、シュート精度などの課題が残る試合であった。予選
リーグ最終戦韓国戦に向け、意識を高めてBグループ1位を勝ち取れるよう、チーム一丸となって体制を整えていき
たい。 
 
  
個人得点  牧野・入谷:6点、安平・小澤:5点、大谷:4点、康本・野村:3点、伊舎堂:2点、安倍・高橋・田里・山田:1点

予選リーグBグループ1戦目

9月6日(土)  
   
日本 32 (15-14, 17- 8) 22 イラク
1勝                 1敗 
戦評
  「アジアチャンピオンになる!」という明確な目標を定め、アジア選手権が幕を開けた。
 前半立ち上がりは、攻撃の主軸であるキャプテン安倍のロングシュートと伊舎堂のキレのあるフェイントシュートで
スタートした。イラクは情報と違って体格を生かしたパワフルな攻撃よりも、ボールを巧みに回して粘り強く攻める
チームであった。日本は手・足を動かした攻撃的な6−0ディフェンスでスタートしたが、タイミング良く切られた
ポストプレーや外角からのミドルシュートで失点した。その後、ディフェンスリズムを作って速攻を仕掛けたが、
伊舎堂の首にかかるカットインシュートが流されて逆速攻に持ち込まれるなど不運が続いた。そこで、機動力を生かし
クイックスタートを仕掛けるがミスが続き、前半13分4対8とリードを許した。しかし、タイムアウト後から伊舎堂の
思い切りの良いミドルシュートが決まり、野村の絶妙なポストパスカットからの速攻などで得点につなげ、ゲームの
主導権を取り戻した。その後、お互いに退場者を出すものの安平の逆スピンシュートや牧野のカットインシュートで
前半を15対14で折り返した。
 後半はゴールキーパー袰屋を中心に山田・小澤・康本らでディフェンスが安定し、連続失点を許さなかった。攻撃面
でもサイド入谷・安平の技ありシュートや野村・小澤のスピードある速攻で得点を重ねた。また、練習で徹底してきた
ボールをもらう前の動きが連動し、コンビネーション攻撃から清家のステップシュートが豪快に炸裂し、勝負を決めた。
山田・高橋が体を張ったプレーで獲得した7mtcを確実に大谷が決めるなどチーム一丸となってものにした初戦で
あった。
 
  
個人得点  伊舎堂:7点、牧野:5点、安倍:4点、安平・大谷:3点、野村・清家・入谷:2点、康本・田里・小澤・山田:1点
  

トレーニングマッチ

9月4日(水)
   
日本 29 (14-16, 15-12) 28 ヨルダン(ナショナルチーム)
 
戦評
 トレーニンングマッチ2戦目は地元ヨルダンのナショナルチームと対戦した。格上の相手ではあるが、前回のバーレーン戦の反省を生かして
チーム一丸となって粘り強く戦うことを約束し、本番に向けて良い準備ができるように臨んだ。前半立ち上がりは、大谷・安倍のロングシュートが
相手のゴールキーパーの好セーブに阻まれ、好ペースが掴めなかった。ディフェンスでも2mを超える大型サウスポーに中央から力強く打ち
込まれ、前半10分4対7とリードを許した。その後、田里・牧野らで粘り強く攻撃し、相手の退場を切っ掛けに野村・小澤の連続速攻で11対10
と逆転に成功した。その後もプレスディフェンスに切り替え、相手からボールを獲得しチャンスをつくるがテクニカルミスが続き、前半を14−16で
折り返した。
 後半は立ち上がりから高橋・入谷・清家等で、メンバー動かしながら相手の大型選手に積極的ディフェンスで挑み、後半5分逆転に成功した。
中盤は相手ポストプレヤーを守り切れず、連続して退場者を出すものの今日一番積極的だった伊舎堂のキレのあるミドルシュートで流れを渡さ
なかった。終盤も一進一退の攻防が続くが、ゴールキーパー森脇の好セーブや康本らの闘志あふれるプレーで試合を進め、29対28で勝利を
ものにした。大会直前にしてチームの士気が高まるゲームであった。


 
  
個人得点  伊舎堂:9点、牧野:5点、安倍:4点、小澤:3点、康本・田里・大谷:2点、野村・山田:1点
  

9月2日(火)
   
日本 27 (14-14, 13-14) 28 バーレーン
 
戦評
 無事現地入りし、同日に入国したバーレーン代表とトレーニングマッチを行った。
 スタートは安倍・田里・伊舎堂・大谷・小澤・山田・GK袰屋の練習どおりメンバーで臨んだ。前半立ち上がりは、緊張からか足が全く動かず
ディフェンスが機能しなかったが、アジアジュニアを経験している安倍の3連続得点でスタートした。相手のタイムアウト利用して、中央を厚めに
外に追い込むディフェンスに修正したが、相手の粘り強い1対1に押し込まれて失点を重ねた。GK袰屋の顔面セーブや田里の負傷退場で試合の
流れを掴めずにいたが、途中出場した牧野のカットイン等で前半を14−14の同点で折り返した。
 後半は入谷・森、等でディフェンスを固めて速攻つなげる展開を狙ったが、中央からロングシュートを打ち込まれたり、守りに行った手が首に
かかり退場者を重ねたりする時間帯が続いた。攻撃でも安倍に一層マークが厚くなり、連続得点のチャンスを生かしきれなかった。残り90秒、
26対28からタイムアウトを取り同点終了を狙ったが、相手の1分以上の攻撃にボールを奪えず試合終了。
 本来の力を出し切れない悔しい敗戦であった。選手は、日本とのレフリングの違いや相手の負傷理由での遅延行為に苛立ち見せたが、
初めての経験を真摯に受け止め謙虚な姿勢でアジアを勝ち抜く決意を示した。



  
個人得点  安倍・伊舎堂:8点、牧野:5点、田里・小澤:2点、大谷・入谷:1点
  

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